泉で知り合った美しい女性が夫をもつ女神・ヴィーナスと知り、マルスは動揺する。自身は今、道ならぬ恋に踏み込んでいる―――例えゼウスの息子であろうとも、罪を逃れることはできない。しかし、己を律しようと思えば思うほど、ヴィーナスの笑顔がちらついて、マルスの心をとらえて放さなかった。
罪悪に塗れながらもマルスの想いはいっそう強くなる。ありのままの自分を愛してくれた女性がたまたまヴィーナスだった、というだけのこと……。
二人の愛は激しさを増し、ついにマルスはヴィーナス(あなた)の寝所へと踏み込むことになった。
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寝所で身体を横たえていた貴女は、ベッドが沈んだことに気づき身を起こす。すると、そこにはマルスがいて……
マルス「驚いた顔をしているな。なぜ俺がお前の寝所にいるのか、と。俺がここにいることを、夫に見られたら……そう思っているのか?」うなづく貴女に対して……
マルス「ならば心配はいらない。俺はウルカヌスが出て行くのを見計らってここへ来たのだ」夫に見られては大変なことになってしまう―――そう案じた貴女は、マルスに早く部屋を立ち去るように命じる。しかし、
マルス「ヴィーナス、さすがにここで俺と会うのは気が引けるか? だが、それも今さらというものだ。俺が夫がある身と知りながら抱き続けるように、お前も俺を受け入れ続けたのだから……俺たちは、共犯者だ」深紅の瞳に見詰められ、貴女の中に淫らな熱がともる。
マルス「お前の肌が恋しくなって……たまらないんだ。だから……いいだろう?」甘い声で誘われて断れるはずもなく、されるがままに寝台に組み敷かれる。
マルス「この寝台で、あの男とも寝ているんだろう? その寝台の上でお前が別の男に抱かれていることを知ったら、あいつはどうするだろうな」あの人は……気にしないと思うわ、そう複雑な面持ちで返すと、
マルス「気にしないだと? 自分の妻が他の男の腕の中にいようと構わないというのか?」彼の方が不思議な顔をする。
あの人は私に興味ないから……と口にしたところ
マルス「まったくわからないな、お前に興味がないなんて。俺だったら絶対に許さない」大きくたくましい腕が、体をまさぐった。
マルス「この真っ白な柔肌に噛み付いてやりたい。痛みを与えてきちんとしつけて、自分が誰のものかよく思い知らせないと気が済まない……そしてもう他の男の目には触れないよう、枷をつけて檻の中に閉じ込めてやる。そして俺だけを待って、俺だけを愛するんだ。どうだ……?」こんな風に熱く、激しく求めてくれるなんて……。
陶然とする貴女の様子を満足げに眺め、マルスは飢えた瞳で言った。
マルス「蕩けそうな顔をして……そんなにひどくされるのが好きなのか?」~~中略~~
マルス「お前の口で、俺を満足させてみろ。何を戸惑う必要がある? お前は幾度となくこれを自分の身体に受け入れただろう?」ためらいがちに、マルスの雄に舌を這わせる貴女。
マルス「ん……ぅ……、はぁ……そうだ、可愛いなお前は……ん……あ……ん……、こら、先ばかり舐めるな……ふぅ……!」男らしい外見でありながらも、快感を得ると無防備な声を上げるのが可愛らしい。少しだけ意地悪をしてやろうと思い、貴女はその先端に甘く歯を立てる。
マルス「く……ぅ……あ……く……ぅ……んっ……バカ……今わざと歯を立てたな……っ? んん……ぁ……ん……う……ぅ……いいぞ……ほら、口を開けてくわえてみろ……ん……唇をすぼめて……しごいてみろ……あ……ぁ……」言われた通りのやり方で、彼を愛してみせる。
マルス「ん……んぅ……は……ぁ……ん……っ、あぁ……! ダメだ……良過ぎて、すぐにでも達してしまいそうだ……!……ふぅ……ん……く……あ……あぁ……く……っ、あぁぁっ!」切なく声を上げた直後、口から己を勢いよく引き抜く。熱を持ったそれは、貴女の顔の目の前で滾りを吐き出した。
マルス「はぁ……はぁ……よくできたな……どうした、腰が揺れているぞ。男をくわえて感じていたのか? いやらしい女だ……俺の精で顔を汚して……なんて妖艶な顔をしている。まったくお前は可愛すぎていけない。いつか痛い目に合うぞ。さあ、次はお前を気持ち良くしてやらなければな。ちゃんとできたご褒美だ」※ 製作上の都合により、収録音源とは異なる場合がございます。予めご了承ください。